疾患関連糖鎖・タンパク質の統合的機能解析 大阪大学21世紀COEプログラム
What's new COEメンバー 特任助教授 研究の目的 プロジェクト イベント・催し 募集 リンク
 
 
研究


ポストゲノム研究で最も重要な分野のひとつにタンパク質の機能解明とともに糖鎖機能の解明があります。糖鎖がタンパク質の機能高度化に重要な役割を果たしていることが揺るぎもない事実となっているからです。タンパク質の翻訳後修飾の中で最も多いのも糖鎖付加であり、タンパク質の50%以上には糖鎖が付加されています。このように、糖鎖は機能面と普遍性の両方の点で生命活動に大きく寄与しています。本拠点は、社会的要請の高い神経変性疾患、タンパク質フォールディング病、がん、肝炎、糖尿病、脂肪肝などの生活習慣病と小胞体、ミトコンドリア、ゴルジ装置、細胞膜等のオルガネラの機能異常との生体内での役割と関係を明らかにします。さらに、これらの疾患に対する画期的な、糖鎖治療薬、タンパク質治療薬の開発を目指します。これらの目的を達成するには学際的な研究が必要で、本拠点創成にあたっては、糖鎖とタンパク質に関する世界最高レベルの度な知識と技術、さらに実績が必要です。これまで、糖鎖遺伝子(糖鎖を合成する遺伝子)はおよそ160単離されていますが、このうち、本拠点リーダーをはじめとする我が国の研究者が取得したものは60%を超えています。私達のグループでは、糖鎖遺伝子を用いて細胞の糖鎖を人為的に改変して細胞の性質を変換させる「糖鎖リモデリング」という概念を確立し、糖鎖が単なる飾りではなく、さまざまな生物機能の発信源であることを明らかにしてきました。
本拠点の10名のコアメンバーには、独創性の高い国際的な実績をもった研究者が集積しており生化学、分子生物学、発生工学、人類遺伝学、細胞生物学、神経科学、免疫学、内科学、などの専門家に加え、糖鎖解析と質量分析の専門家も参加しており、世界最高水準の糖鎖機能解析が可能です。今後は、糖鎖研究とタンパク質研究を個別に行なうのではなく、お互いに連携し合い、統合化し、さらに他領域との融合化を進め、将来的にはシステムメディカルバイオロジーヘと発展させる必要があります。多くの難治性疾患の原因解明、治療法の開発には、このような多領域にまたがる研究者の総力をあげた取り組みが必要です。

教育


本拠点は人材養成に関して、基礎配属制度、学士入学制度、MD/PhDコース、連携大学院制度などをわが国で最初に導入してきた実績をもっています。また、平成14年には本研究計画の一環ともなる「糖鎖治療学寄付講座」を開設しています。これらの実績を生かして地域医療・産業との連携をとり、「地域に生き世界に伸びる」という大阪大学の理念に基づいた医学の国際研究教育拠点を形成します。具体的なプログラムとして、MD/PhDコース学生、博士課程学生への援助、特任助手制度の導入、卓越した国際的な研究者〔Koan Ogata Endowed Professorshipと仮称〕の研究への参画、独立した若手研究者〔特任助教授〕の援助、アジアオセアニアの若手研究者ためのAMBOトレーニングコースの援助、子育て中の研究者のための時間外保育費用の援助等を計画しています。本拠点の実現により、国際的にも類を見ない卓越した医学研究教育拠点の創成が可能となると考えています。
 

PAGE TOP |

Copyright 2003 Osaka University. All Right Reserved.
Integrated functional analyses of disease-associated sugar chains and proteins, Osaka University